愛媛県歴史文化博物館 学芸員ブログ『研究室から』
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2012.10.26 Friday,
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中国四国名所旧跡図16 琴引八幡、有明浜




琴引八幡と有明浜を、東側の上空から俯瞰(ふかん)したような視点で西丈は描いている。あるいは象頭山から高性能の望遠レンズでのぞいて、琴引八幡と有明浜だけを切り取ったイメージであろうか。絵の中央下、木に囲まれた石垣の上に社が描かれているのが琴引八幡。海際の小高い山の上に立地していることがわかる。




『金毘羅名所図絵』にも大きな松に囲まれた石垣の上に、本社、高良社、大師堂などの建物が見える。明治時代の神仏分離以前までは、琴引八幡は四国遍路の第68番の札所でもあった。





琴引八幡の上部にはきれいな砂浜が広がっているが、この砂浜が「日本の渚百選」にも選ばれている有明浜。香川県観音寺市室本町、八幡町、有明町にかけての約2kmにも及ぶ瀬戸内海に面した砂浜で、『金毘羅名所図絵』にも「琴弾山の麓の濱をいふ、當国第一の絶景なり」と記されている。


嘉永3(1850)年にこの地を訪れた浄瑠璃太夫の竹本梶太夫(染太夫)も、「当山絶頂の御本社が琴引の八幡宮、則ち六十八番の霊場にして、風景のきれいなる事ほかにはあるまじき景地、裏へ廻り下向道、象ケ鼻といふ名所、下を見れば有明の浜とて絵にかく如くの風景なり」とその景観を絶賛している。西丈自身も琴引八幡と有明浜を織り込んで、「有明の月に琴引ぐ社哉」の句を絵の右端に書き込んでいる。


 画面左下には「三ガノ橋」の文字が記され、木製の橋が描かれている。これは染川に架かる三連続の橋のことで、橋詰めは観音寺の町並みで、商家工家が軒を連ねる繁華街であった。西丈もその部分だけ家が建て込んでいるように描いている。


当館では、企画展「四国へんろの旅−絵図・案内記と道標−」が2月21日〜4月8日の会期で開催されます。多彩な資料で四国遍路の魅力を紹介します。ぜひご覧下さい。

2012.02.04 Saturday,10:49
| inojun | 館蔵資料紹介 | - | - |
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2012.10.26 Friday,10:49
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