愛媛県歴史文化博物館 学芸員ブログ『研究室から』
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2012.10.26 Friday,
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認知症予防と昔の道具―博物館と福祉の連携―


 

愛媛県歴史文化博物館には「れきハコ『昔のくらし』」という昔の生活道具や学校の教科書、昭和20〜40年代の生活写真をまとめた資料貸出しキットがあります。2月14日に、この「れきハコ『昔のくらし』」を西予市社会福祉協議会が利用をして西予市内の高齢者を対象に認知症予防のための「回想法」を取り入れたプログラムを当館も協力をして実施しました。


「れきハコ『昔のくらし』」は、小学校の授業で使用されることが多いのですが、社会福祉施設や福祉専門学校での利用も増えてきており、歴史系博物館で収集・保管されている民具(昔の生活道具)が、高齢者の介護予防の現場でも注目されつつあります。


今回のプログラムは参加者が約20名でした。この人数は昔の生活道具を使った回想法では、発言できる人と発言できない、しづらい人にわかれてしまうリスクがあり、少し多い人数だと判断したので、3グループに分かれて、1グループ6、7人としました。そして、それぞれにリーダーとなるスタッフが配置されました。そのスタッフとの打ち合わせも事前に実施して、当日のプログラムに備えました。




実は、このプログラムは以前からNHK松山放送局の記者さんが取材をしたいとの依頼があり、今回は社会福祉協議会の了承も得られたので、NHK松山放送局のカメラも入ってのプログラム実施となりました。


回想法の現場ではどうしても参加者にリラックスして昔のことを思い出してもらう雰囲気づくりが必要です。ここにカメラが入ると、参加者は緊張して話したいことも話しづらい状況になってしまいますが、この点は今回、NHK松山放送局さんも入念に配慮していただき、全体の雰囲気が和らいだ状況でプログラムを進めることができました。


参加者は60歳代から88歳までの男女。ほぼ地元もしくは県内出身者です。このような出身地域が同じという状況では、参加者が共通の記憶を持っているということで、昔の生活道具や生活写真を使った回想法は比較的進めやすいといえます。これが都市部の社会福祉施設での実施となると、また状況は違ってきます。今回は参加者の多くが共通した記憶を確認しあうという場面が多く見られました。

プログラムは約1時間で終了し、多くの方が自分の幼少時代の話を楽しそうに語り、笑顔で帰られたのが印象的でした。認知症予防、介護予防の一環として博物館を利用することの可能性をあらためて実感しました。


 さて、今回のNHK松山放送局の取材ですが、まだ放映の日程は決まっていないようです。決まり次第、このブログでも紹介したいと思います。


2011.02.15 Tuesday,10:49
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2012.10.26 Friday,10:49
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