愛媛県歴史文化博物館 学芸員ブログ『研究室から』
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2012.10.26 Friday,
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東大寺戒壇堂 ―凝然(ぎょうねん)ゆかりの地―
 東大寺は、大仏で知られた奈良の代表的寺院です。ちょうど平城遷都1300年ということで、観光客も普段以上に訪れています。でも、一口に東大寺といっても境内は非常に広く、大仏殿や南大門だけが東大寺ではありません。実は、鎌倉時代の伊予の人物と非常に関わりの深い場所があります。




大仏殿から少し西へ行った台地上に戒壇堂(かいだんどう)がありますが、古くはその付近一帯に戒壇院と呼ばれる伽藍(がらん)が広がっていました。天平の時代、唐招提寺の創建で知られる鑑真が受戒制度の整備のため日本へ招かれた翌年の天平勝宝6(754)年、正式な受戒の場として建立されました。

 それから約500年後、鎌倉時代後期にこの戒壇院の院主となったのが、凝然という伊予出身の学僧です。様々な宗派の教学に通じ、仏教の教科書ともいうべき『八宗綱要』を著すなど博学で知られ、国師号を授かっています。東予に拠点を置いた新居氏の一族で、その系譜を記した「与州新居系図」は重要文化財に指定されています。

 戒壇院は幾度もの火災で往時の姿をとどめませんが、復興された戒壇堂・千手院が現存します。戒壇堂を訪れると、天平塑像の傑作とも言われる国宝の四天王像が迎えてくれます。観光客で賑わう大仏殿周辺とはまた違い、落ち着いた雰囲気を味わうことができます。この場所で凝然をはじめ歴史上の名僧たち、そして数えきれないほどの僧侶たちが受戒したことを思い返すと、荘厳な気持ちに包まれます。



 奈良東大寺を訪れた際には、伊予とも関わりのある戒壇堂へも足を運んでみてはいかがでしょう。

2010.12.05 Sunday,10:02
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2012.10.26 Friday,10:02
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